物件を気に入って申し込みをした後、何等かの事情により申し込みをキャンセルしたくなった場合、キャンセルすることはできるのでしょうか。また、キャンセルに費用はかかるのでしょうか。
キャンセルのタイミングの確認
購入のキャンセルは
売買契約をする前か後かで大きく違いがあります。まずはキャンセルのタイミングを確認しましょう。(※売買契約は
購入の流れの中ではSTEP6です。STEP6より前か後か確認しましょう)
万が一「何か書面に記入・押印したが何の書類だったかわからない」という場合は、不動産会社の担当者に確認しましょう。
売買契約をする前の場合
購入の申込み(購入申込書を提出)をしていても、売買契約をする前であればキャンセルすることができます。
売買契約をした後の場合
契約後にキャンセルしたい場合は、「契約の解除」に該当します。
売買契約を解除したいのページをご覧ください。
キャンセルするにはお金がかかるの?
契約前の申込みのキャンセルにはペナルティはありません。従って、キャンセルにはお金がかかりません。
民法では「口約束でも契約が成立する」としていますが、宅地建物取引業法によれば「契約が成立したら遅滞なく契約内容を記載した書面を宅地建物取引士に記名押印させた上で交付すること」を義務づけています。 この売買契約書の取り交わしをする前であればキャンセルができるということになります。
キャンセルの仕方
申込みをキャンセルするには、申込みをした不動産会社の担当者に電話してキャンセルしたい旨を伝えましょう。
<ポイント>
- キャンセルの意思表示は書面でなくても大丈夫です。それよりも一刻も早く伝えることが大切です。
- 担当者が捕まらないとか、言った言わないなどのトラブルを避けるために、メールも送っておくといいでしょう。
- キャンセルの理由もしっかりと伝えましょう。そのほうが「何がいけなかったのか」不動産会社の担当者が把握できるので、今後の物件紹介の際の参考になります。
キャンセルのデメリット
前述したようにペナルティはありませんが、一度申し込んだものを撤回するわけですから、デメリットは生じます。
申込みをしたことによって、不動産会社の担当者は売主側に連絡をとったり、契約書の準備をしたりします。場合によっては売主も準備に入るかもしれません。それらの人達に迷惑がかかることは避けられません。
もし後で「やっぱりどうしてもこの物件が欲しい」と思い同じ物件に再度申込みをしても、売主から「この人には売りたくない」と言われてしまう可能性があります。
また、「一度申込みをキャンセルしたことがある人」というレッテルが貼られてしまうことで、不動産会社からは「一生懸命物件を紹介してもまた申込みをキャンセルされるかもしれない」とか「きちんと購入する気持ちがないのかもしれない」と思われてしまう可能性がああります。
それではどうすればキャンセルを回避できるのか、見ていきましょう。
キャンセルを回避するためには
申込みをキャンセルすることのないように、以下の点に注意しておきましょう。
事前に希望条件をよく整理しておきましょう。
希望条件には優先順位をつけましょう。また、ご家族それぞれで意見が異なる場合は、どの意見を尊重するのかよく相談しておきましょう。
決裁権のある人には必ず内見してもらいましょう。
例えば、親の贈与金により物件を購入する場合など、いざ契約しようとしたら反対されて契約が出来なかったということがあります。
特に、物件の室内やマンション棟内を見てお申込みをしたものの、後で周辺環境やハザードマップを見てキャンセルすることがないようにしましょう。
他の検討者がいても納得がいくまでは焦らずじっくり考える
不動産会社の担当者から「他にも検討しているお客様がいますよ」と聞いて焦ってお申込みをしてしまう場合がありますが、もし他のお客様が購入してしまったら縁がなかったものと思うようにしましょう。
過去の成約事例があれば営業担当者に見せてもらいましょう
お申込みをしたものの、後から周辺相場を調べてみたら相場より高いのでキャンセルしたい、またはもっと安い金額でもう一度お申込みしたいということがないように、お申込み前に成約事例を見せてもらうようにしましょう。また、極端に相場より安い場合は物件に問題がある場合もあるので気を付けましょう。
リフォームをする予定がある場合は、希望のリフォームができるかどうか事前に確認しておきましょう。
特にキッチンの移設など、配管が問題になってくる場合はリフォーム業者等専門家に室内を見てもらってアドバイスを受けましょう。
重要事項説明書に記載されるべき事項がないか確認しておきましょう。
申込みをして条件の調整がまとまると売買契約をすることになりますが、売買契約前に重要事項を説明されたら許容できないことがあったということのないように、事前にそのような重大な事項がないか確認しておきましょう。例えば、その物件の売却理由が単純な住み替えなのか、物件に何か問題があったのかどうか(近隣トラブル等)、事故物件ではないかなどです。
よくあるキャンセルの事例
こちらは実際によくあるキャンセルの例です。
- 夫もしくは妻だけで内覧して申込みをしたが、内覧していないどちらか一方が反対した。
- 申込み後に、購入資金を出す親が内覧して反対した。
- 申し込み後、夜遅くに物件まで行ってみたら雰囲気が違った。
- 申し込み後に室内をリフォーム業者に確認してもらったら希望のリフォームが出来ないことがわかった。