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マーケティングの3C、4Pから不動産売却を考える

マーケティングの3C、4Pから不動産売却を考える
せっかく不動産を売却するのなら、少しでも高く売って、お金を残したいですよね。
では家を高く売るには、どのように売却を進めれば良いのでしょうか?
不動産を売却したいだけならば、どの不動産業者に依頼しても売却はできます。
しかし、「不動産をできるだけ高値で売却する」には、マーケティングの基礎知識を知っておいて損はありません。
今回は、マーケティングの有名なフレームワークである、「3C分析」、「4P分析」を通して、不動産売却を考察してみたいと思います

3C

3C分析とは

Customer=市場・顧客、Company=自社、Competitor=他社の3視点から現状を分析していくフレームワークです。
3C分析の目的は、市場・顧客、競合、自社の3つの観点からビジネス上の取るべき戦略を考えることです。
それでは不動産売却に置き換えて考えてみましょう。

Customer:市場・顧客 = 市況・買主

まず初めに、Customer、市場・顧客です。
「市況・買主」と考えます。
  • 現在の不動産相場、ローン金利の状況をどのように考えることができるのか。
  • また今後、不動産相場とローン金利は、景気や経済政策も踏まえてどのような変化が予想されるのか。
  • 物件の周囲に今後どんな変化がありそうか。(再開発、商業施設の建設計画などはあるか。)
  • 買主となりそうな方はどんな方か。何を重視しているのか。
    ・ 家族構成(何人家族か、単身者か、ご夫婦か。)
    ・ 近くに住んでいる人か? 近くに住んでいない人にはどのようなことを伝えれば魅力が伝わるか?(公園が近い、駅が近い、買い物に便利、閑静な住宅街など)

Competitor: 競合 = 他の売出物件

次が、Competitor、競合です。
「他の物件」と考えます。
  • 周囲の他の物件が、何件、いくら位で売り出されているか?
  • どの期間、売れ残っているのか?
  • どのサイトに、どのような写真で、どの部分をアピールして売り出しているのか?
  • 過去に他物件が、いつ、いくらで成約しているのか?

Company: 自社 = あなたの物件

最後に、Company、自社。
これはお察しの通り、あなたの売り物件です。
  • 他の2つのC(市況・買主、競合)を分析して、あなたの物件を、いつ、いくらで、どのように売り出すべきか?
  • あなたの物件のアピールするべき部分はどこか?
(具体例)
  • 陽当りが良いか? 眺望は良いか?
  • 駅に近いか? 買い物に便利か?
  • 公園、学校に近いか?
  • 治安は良いか?
  • 子育て環境は良いか?
  • 静かな住環境か。

3C分析から学べること

  • 周囲に、同じ位の間取り・広さの類似物件がない場合、あなたの物件は希少性が高いと考えられます。そのため相場より少し高めの売出価格で売却をスタートしてみても良いでしょう。
  • 今後、街の再開発なので利便性が増すエリアは、多くの買主を引きつけるポイントになります。その為、多少高めの価格設定で売り出しを検討してもいいかもしれません。
  • また近所と同じような物件が売れ残っている場合、なぜその物件が売れ残っているのか考えてみましょう。
  • 売出価格が高いのか。間取りが使いにくいのか?
通常、買主は複数の物件を比較して購入を検討します。
ですので競合物件と比較して、あなたの物件が優位に立つような価格・見せ方を考えることが大切です。

あなたの物件の買主はどんな方でしょうか? 近くにお住まいの方だけでしょうか?
最近ではエリアを限定せずに広く物件探しをされている方が多くいらっしゃいます。
例えば、公園が近くにある物件を探されている買主には、「公園が近くにある」いうキーワードで検索にヒットするようなプロモーションを考えることが有効です。
買主は写真の第一印象で、判断される方も多いため、他の物件と比較してよりきれいに、広く見えるセンスの良い写真を使って物件を紹介するようにしましょう。

4P

4P分析とは

マーケティング戦略の立案・実行プロセスの1つである、マーケティング・ミックスに関連する要素であり、
  • Product(プロダクト:製品)
  • Price(プライス:価格)
  • Place(プレイス:流通)
  • Promotion(プロモーション:販売促進)
の頭文字をとってまとめられるものです。
ではこの4Pでも不動産売却に置き換えて考えてみましょう。

Product(プロダクト:製品)

企業の利益の源泉となる製品を考えます。品質・デザイン・ブランド名・パッケージ・サービス・保証までを含めて製品と考えますが、その根本には、「製品を通して顧客ニーズをどう満たすか」「製品を通して提供できるメリットは何か」という観点があります。
そのうえで、自社の製品を既存の市場の中でどう位置付けるかも重要になり、これには次項の価格も大きく関わってきます。
さて不動産を通して、買主ニーズをどのように満たせば良いのでしょうか?
不動産という特性上、物件の場所、広さは変更することができません。
それでは、何をすれば「お家」の商品力は上げることができるでしょうか?
買主が物件購入に求めていることは何でしょうか?
室内をキレイに!
お買い物をする時、ゴミがあちこちに落ちているお店に行きたいと思いますか?
埃をかぶっている商品と、ピカピカの商品、どちらを買いたいと思いますか?
人生で一番大きな買い物です。売主が住み慣れて気がつかない部分も、買主は細かいところまでチェックしているものです。
  • 床にゴミが落ちていないか。
  • 水回り(お風呂、キッチン、トイレ)はきれいに掃除されているか。
  • 壁、天井の汚れは拭いて落とせないか。
  • 目に見える部分にほこりが溜まっていないか。
  • 収納をあけられても問題ないか。
買主の立場に立ち、きれいに清潔にして、買主に内覧してもらうようにしましょう。
空室物件の場合はハウスクリーニングを検討しましょう。
別のお部屋に引っ越しが終わっており、空室で売り出す場合、プロによるハウスクリーニングを活用しましょう。
数万円でお部屋が見違えるほど綺麗になります。
仲介業者によっては、付帯サービスとして、クリーニングを無料でつけている会社もあります。
照明をつけて、カーテンを開けて、室内を明るく見せましょう。
照明のついていない、カーテンがしまった室内は、暗い室内と、照明をつけて、カーテンを開けた室内では、印象が全然違います。
水回りからも異臭は絶対NG
空室の期間が長いと、お風呂などの水回りから異臭がすることがあります。こうしたことがあると買主の印象が相当悪くなります。定期的に水を流したり、お掃除をして、このようなことがないようにしましょう。
売主であるあなた自身も見られています。
居住中の物件ですと、内覧の際に、買主と売主が直接お話する機会も多くございます。特別気張る必要はありませんが、最低限お部屋をキレイにしておき、
  • 普段のお買い物でよく行くお店。
  • お隣、上階、下階にお住まいの方はどんな方か。今までトラブルはないか。
  • 子育て環境はどうか。
  • 騒音は聞こえるか。
など、買主からの質問は丁寧に回答してあげることが大切です。
保証で安心感を与える
通常、中古物件の売買契約には、売主の瑕疵担保責任は引き渡しから3ヶ月以内となっています。
つまり引き渡しから3ヶ月以上超えた場合に設備故障がを使った場合には、買主が自分で直さなければいけません。
これを例えば引き渡してから2年間は売主の瑕疵担保責任で保証します、と言うように買主に伝えたら、買主はもっと安心して物件を購入したくなると思いませんか?

このような瑕疵担保の保証サービスのある不動産仲介会社は少ないですが、この保証によって、売主も買主も安心して取引できるサービスを提供してみることをおすすめします。
古いマンションの場合は、ホームインスペクションを検討していてもいいかもしれません。

Price(プライス:価格)

市場で販売するうえでの価格です。価格を設定することで必然的に決定されてしまうものが、ターゲット層です。
価格を決定する過程では、「顧客が購入してくれる価格なのか」「製品価値との整合性はあるか」「適正な利益を得られる価格であるか」ということの慎重な検討が不可欠となります。
そして、価格によって定まったターゲット層に確実に製品を届けるためには、「どのような形で製品を市場に流通させるのか」ということが鍵を握ります。
では価格に関して、不動産売却に置き換えて考えてみましょう。
まず1つ言えるのは、相場価格より高すぎる価格設定は、やめたほうが無難です。

もちろん売主様にとっては少しでも高く売りたいと言うお気持ちはわかります。しかし買主も他の物件と比較検討して物件を探しています。あまりに高すぎる物件はその時点で検討除外と判断されてしまうリスクがあるため、今の他の売り出し物件や相場を踏まえて、相場から乖離しすぎないギリギリの価格で売り出すことが大切です。

Place(プレイス:流通)

製品を市場に流通させるための流通経路や販売する場所が含まれます。実存店舗であれば、自社店舗・コンビニ・百貨店など形態は多岐にわたりますし、立地や店舗数も勘案する必要があります。また、近年規模が拡大しているネット通販のように、受注から販売までをインターネット上で完結させる方法も存在します。
いずれにせよ、「ターゲット層に確実に製品を届けることができる流通形態になっているのか」という観点でその妥当性を検証する必要があります。
また、どのような経路で販売するかということは、その製品のイメージ戦略にもつながります。コンビニでいつでも購入できる商品と、百貨店でしか取り扱いがない商品では、同じ商品であったとしても、その製品に対して顧客がもつイメージは大きく異なるでしょう。
この流通、不動産売却で考えると、どのようになるでしょうか?
自社の既存客への紹介
過去に問い合わせのあった買主に物件を紹介します。
オープンルーム
オープンルームを開催することで、周囲のお住まいの方に物件を広く認知させることができます。
他の不動産業者による買主の紹介
他の不動産業者からの買主の紹介を受け付ることで、流通チャンネルの最大化します。
これを業界では「片手仲介」と呼びます。

Promotion(プロモーション:販売促進)

市場の顧客ニーズを満たす製品を製作し、ターゲット層を決め、そのターゲット層に購入機会を提供できる流通・販売経路を確保する。この後で、更に必要になることが、「いかに製品を認知してもらうか」ということです。
製品がどれほど優れていても認知されていなければ意味はありませんし、認知してもらったうえで、更に購入してもらえなければ企業に利益は生じません。
代表的な例としては広告やCMがありますが、この他にイベントの実施やメルマガの送付などもプロモーションのひとつの手法となります。
また、流通の検討と同様に、プロモーションに関しても「情報を確実にターゲット層に届ける」という観点から、発信メディアや市場に流す情報、そしてプロモーションにかける予算を検討する必要があります。
プロモーションに関しても不動産売却で考えてみましょう。
プロモーションは大きく、プル型(反響営業)とプッシュ型に大別できます。
プル型(反響営業)
物件を探している買主自身に、スーモ、アットホーム等のポータルサイトへのリスティング等を通じて、物件を知ってもらいます。
・スーモ等の物件ポータルサイト
現在は多くの買主がネットで物件を調べて問い合わせすることがほとんどです。そうした主要ポータルサイトにきれいな写真と魅力的なキャッチコピーで紹介することが大切です。
・グーグル、ヤフーの検索エンジン
Google
yahoo
「目黒駅 3LDK 徒歩5分以内」などと、検索エンジンで希望条件を入力して物件を探す方も多数いらっしゃいます。ここにあなただけの物件広告を出すことで、オンリーワンの存在になれる可能性があります。
プッシュ型
物件を知ってもらうために、こちらから主体的に買主に情報をお伝えする手法です。
潜在的な買主に需要を創造するようなプロモーション広告を打ち出します。
・チラシポスティング
今日も郵便受けに入っていて、あなたも手にとったかもしれません笑
・ネットのディスプレイ広告
Facebook広告
インスタグラム広告
買主がSNSやブログを読んでいる際に、「おっ?」と気になるようなプロカメラマンによるキラー写真でPRします。ネット広告のメリットは、具体的にターゲットを絞って、広告配信できる点です。 例えば、
「区内に住んでいる、子育て世帯層」

に複数回、広告表示させることで、認知を促しつつ、新たな需要を創造できます。

まとめ

この4Pをかけ合わせると、

より多くの買主に、

より魅力的に、

高すぎない価格で、

安心感を与えて(設備保証)、

物件情報を伝えることで、不動産売却の成功に近づくことができるのではないでしょうか?

いかがでしたでしょうか?
当たり前と言ってしまえば当たり前のことかもしれません。
リンネ株式会社では、こうしたマーケティング知識も活用し、売主様の物件を、より多くの方に、より魅力的に発信することで、高値売却を実現できるような売却活動を行っています。

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